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Kanon Short Story #16
プールに行こう6 Episode 66

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 プールサイドでの昼食の後、もう一泳ぎしてから、さすがに飽きてきた俺達は、そろそろ引き上げることにした。
 そんなわけで、プールの前で、俺は女の子達が着替えて出てくるのを待っていたわけだが。
「お待たせしましたっ、祐一さん」
 一団になって出てきたみんなの、その中でも先頭を切って出てきた栞に、俺はむすっとして言った。
「遅いぞ、お前らっ」
 20分も待たされた身としては、文句の一つくらい言ってもいいだろう。
「祐一さんが早すぎるんですっ。女の子は色々と大変なんですよっ」
 だが、速攻で栞に反撃された。他の娘達もうんうんと頷く。
 まぁ、男が俺一人では多勢に無勢、無意味な戦闘は回避に限る。
 そんなわけで、話題を変えるべく俺は訊ねた。
「で、栞は25メートル泳げるようになったのか?」
「えっ? えっと、えっと……。そ、そんなにいきなり泳げるようになるなんて、無理に決まってますっ」
 反論しようとして、その論が思い付かなかったらしく、逆ギレする栞。
「ボクは泳げるようになったよ」
 その隣であゆがえへんと胸を張ると、栞はよよと泣き出した。
「あな口惜しや。おのれ高野山」
「……意味不明だぞ、栞」
「いいえ、私が泳げないのはきっと高野山の呪いなんですっ」
「それはあり得ません。栞さんに呪いをかけているほど高野山は暇ではありませんから」
 その手のことにかけては本業の美汐に言われてしまい、栞はべそをかきながら香里に泣きついた。
「えぅ〜、お姉ちゃ〜ん」
「栞……」
 香里は、妹を優しいまなざしで見つめながら、静かに言った。
「明日から特訓ね」
「はうっ! お、お姉ちゃん、意地悪ですっ!」
 俺はそんな微笑ましい姉妹から視線を転じてあゆに向けた。
「そっか、あゆは泳げるようになったのか」
「うん。これでボクも、海でヒロインだねっ」
「一つ言ってもいいか?」
「うん、何?」
 にこにこしながら聞き返すあゆに、俺は指さしながら言った。
「ちなみに、お前の姉も妹も、遠泳はキロ単位でこなすぞ」
「うぐっ!」
 あゆはおそるおそる、名雪と真琴に視線を向けた。
「ほ、ほんとに?」
 名雪は頬に指を当てて考え込んだ。
「えっと、去年の夏に陸上部の合宿で海に行ったときに、2キロ先の島まで泳いで行ったことがあるよ」
「で、でも、それじゃ真琴ちゃんは?」
「知らない。そんなに泳いだことないもん。それにあゆあゆよりは泳げるもん」
 口を尖らす真琴。
「真琴は狐だからな。基本的に泳げる」
 俺はきっぱりと言い切った。本当にキロ単位で泳げるかどうかまでは知らないが、今日のプールでのはしゃぎようから見ても、水が苦手ではないようだし。
 がっくりと肩を落とすあゆ。
「うぐぅ、ボク、まだまだだね……」
「祐一、あゆちゃんいじめたら……」
 名雪が言いかけたところで、俺は口を挟んだ。
「百花屋に寄るか?」
「うんっ」
「うぐぅ。ボクってやっぱり、イチゴサンデーよりも下なの?」
「……そんなことないよー」
 微妙な間が疑わしい。
 あゆがおそるおそる聞き返す。
「ホントに?」
「もちろんだよ」
 今度は間髪入れずだったので、余計に先ほどの間が怪しく感じられる俺であった。
 あゆも同じ意見らしく、じぃーっと名雪を見つめていた。
「えっと、あ、それにほら、ちょうどおやつの時間だよ」
 名雪は腕時計を俺達に見せた。確かに時刻は午後三時になろうとしていた。
「ねっ、お母さんっ!」
 今度は秋子さんに声を掛ける名雪。
 秋子さんは、にっこり笑って答えた。
「了承」
 相変わらず1秒だった。

 百花屋でおやつを食べた後、そこで解散ということになり、美坂姉妹と舞と佐祐理さんはそれぞれの家に帰ることになった。
 と、あっさり書くと終わってしまうのだが、やっぱりそこにはそれなりのドラマが展開されたわけである。
 まず、美坂姉妹の場合。
「えぅー。昨日はお姉ちゃんに拉致されたから、今日こそ祐一さんのところに泊まるつもりだったのに」
「駄目よ。いい加減に諦めなさい」
「そんなこと言うお姉ちゃん嫌いですっ」
「嫌われても構わないわ。でも、あたしは干渉させてもらうわよ。……たった一人の妹なんだから」
 極上の笑みを浮かべて見せる香里。バックが夕焼けでないのが惜しまれる。
「うっ」
 栞は、その香里の前に、敗退した。
「えぅ〜、なんだか昨日から負けっ放しです〜。でも、明日こそは、でっかい太陽が昇るかもしれないですよね」
「それは明日になったら判るわよ」
 ぽんぽんと栞の肩を叩く香里。で、一件落着。
 続いて、大学生コンビの場合。
「今晩は、舞は祐一さんのところにお泊まりするの?」
「うん」
 こくりと頷く舞。佐祐理さんはほう、とため息をついた。
「それじゃ、佐祐理は久瀬さんと2人で夕御飯食べて来るね」
 その言葉に舞がばっと顔を上げ、聞き流しかけていた俺は慌てて耳に神経を集中させる。
「久瀬? どうして?」
 聞き返す舞に、佐祐理さんは小首を傾げた。
「あれ? 昨日の文化祭の帰りがけに久瀬さんに逢って、明日夕食をご一緒しませんか、って誘われたじゃない」
 うぉ、初耳だぞそれはっ!
「うん。でも、佐祐理は断った」
「だって、舞と2人でいいですかって聞いたら、舞が嫌そうな顔してたもの」
「嫌だから」
 間髪入れずにきっぱり答える舞。
「もう、舞は人の好き嫌いが激し過ぎるよ。久瀬さんだって、悪い人じゃないんだから」
 いや、佐祐理さんに人の好き嫌いがなさすぎるんだと思う。
「でも、舞がいないんだったら、佐祐理は久瀬さんのお呼ばれを断る理由もないし」
「やっぱり今日は行かない。佐祐理と一緒にいる」
「いいの?」
「かまわない。祐一は逃げないから」
 舞はきっぱり言って、佐祐理さんに向き直った。
「それとも、佐祐理は私がいないほうがいい?」
 相変わらず真っ直ぐな聞き方だ。不器用だけど、それが舞らしい。
 そして、それを誰よりもよく知ってるだけに、佐祐理さんはそう聞かれると、断れるわけがないのだ。
「そんなわけないよ。うん、それじゃ祐一さん、すみませんけど、舞はお借りしますね」
 ポカッ
「私は、祐一のものじゃない」
 佐祐理さんにチョップを打ち込んで、舞はそっぽを向いてぼそぼそと呟いた。
 それが舞の照れの表現であることを知っている佐祐理さんは、嬉しそうにそんな舞を見つめていた。

「それじゃ、お先ですーっ」
 カランカラン
 佐祐理さんが店を出ていき、ドアに付いているカウベルが陽気な音を立てた。
「ばいばーい」
 ぱたぱたと手を振ると、あゆは視線をテーブルに戻した。
「栞ちゃん達と舞さん達は帰ったけど、こちらはどうしよう?」
「……すぅ」
 百花屋のテーブルに突っ伏して寝息を立てているのは、残った面子の中では、ただ一人水瀬家のメンバーではない美汐だった。
「うーん、美汐がこんなにアルコールに弱いとは知らなかったな」
「ボクも」
「真琴も知らなかったわよう」
 顔を見合わせて、俺達は先ほどまで美汐が囓っていたものに視線を落とした。
 それは、ウィスキーボンボン。いわゆる、チョコの中にブランデーが入っているあれである。
「真琴が最初に勧めたんだろ?」
「祐一だって、美汐が迷ってたら「食べろーっ」って言ってたじゃないのようっ!」
「もう、2人とも喧嘩しちゃ駄目だよ」
 相変わらずずれた仲裁に入る名雪。
 秋子さんは、美汐の首筋に手を当てて、頷いた。
「どうやら、急性アルコール中毒、というほどのこともないようですね」
「そうですか?」
「ええ。でも、このままこうしていると、お店の人に迷惑ですから、家に連れて帰りましょう」
 秋子さんはそう決めると、俺に言った。
「祐一さん、お願いできますか?」
「ええ、構いませんよ」
 俺は頷いて、背を向けてしゃがみ込んだ。
「……誰でもいいから、さっさと美汐を背中に乗せてくれ。こうしてると馬鹿みたいじゃないか」
「あ、うん。あゆちゃん、手伝ってくれる?」

「いいよ。それじゃボクがそっち持つから」
「それじゃ真琴は背中持つーっ!」
「わわっ、それじゃ意味がないよっ!」
 大騒ぎしながら3人が美汐を俺の背中に乗せ、俺は位置を直して立ち上がった。
「よいしょっと。さて、それじゃ行こうか」

 夕食を済ませ、今日は早く寝るという名雪を部屋に送って、そのまま俺は自分の部屋に戻った。
 ベッドに寝ころんでいると、ドアをノックする音が聞こえた。
「はい?」
 誰だろう、と首をかしげながら返事をすると、ドアの向こうから声が聞こえた。
「あの、祐一さん、よろしいでしょうか?」
「おう、美汐か。目が覚めたのか?」
 カチャ
「はい」
 そう答えながら、美汐は部屋に入ってきた。
 そのほっぺたがまだ赤いのを見て、俺は言った。
「外で話さないか? その方が涼しいだろうし」
「……そうですね」
 美汐はこくりとうなずいた。

 カラカラッ
 サッシを開けてベランダに出ると、涼しい風が顔を撫でていった。
 俺は壁に寄りかかって、俺に続いてベランダに出てきた美汐に訊ねた。
「ほかのみんなには?」
「いえ、まだ。目が覚めてすぐにこちらに来ましたから。あの……」
 美汐は、手すりを掴んで、こちらに視線を向けた。
「祐一さんや、ほかの皆さんにも、ご迷惑をおかけしてしまったようですね」
「何があったか覚えてるか?」
「それが、その……」
 美汐は、髪の毛を指にくるくると巻き付けながら、うつむいた。
「真琴にあのお菓子を食べさせられてからの記憶がなくて。気がついたら、真琴の部屋で寝ていたものですから」
「そっか。それじゃ一つ聞くが、今までに酒を飲んだことは?」
「いえ。酒精は術の行使の妨げになると言われていましたから」
「あれ? それじゃ八汐さんもお酒は飲まないの?」
「いえ、兄さまは付き合い程度にはたしなまれるそうですが。私は未成年ですし」
「生真面目だな、美汐は」
「すみません」
「いや、そんなところも美汐らしくて俺は好きだぞ」
 笑って言うと、美汐は不意にそっぽを向いてしまった。
「あ、悪い。気を悪くしたか?」
「……いえ。そうですか、これが、酔っている、ということなんですか」
 一つ深呼吸して、美汐は俺に向き直った。
「酔っているんですね、私」
「ああ。まだ顔も赤いしな。酔いが抜けきってないんだろ?」
「はい、そうですね」
 美汐はゆっくりそう言うと、とてとてと俺に近づいてきた。
「美汐?」
「酔ってるんです、私」
 もう一度繰り返すと、美汐は俺の胸に、そっと額を当てた。
「だから、こんなことだって言えるんですよ」
 美汐の吐く息の熱さが、ワイシャツを通して感じられた。
 俺は、その肩を掴もうと手を動かした。
 だが、それよりも早く、美汐は唇を動かした。

「私は……たぶん、祐一さんが、好きになってるんだと思います」

 さぁっと、そよ風が、俺と美汐の髪を揺らした。
「……美汐」
 俺は、そっと美汐の肩を掴んで、俺から体を離させた。
「悪いけど、俺は、名雪が好きなんだ」
「わかってます。だから、今まで言わなかったんじゃないですか」
「だったら、どうして今言うんだ?」
「酔ってるからです。だから、きっと酔いが醒めたら、忘れてます」
 そういうと、美汐は俺の手を振り払うようにして、数歩下がった。
 美汐の背中が、ベランダの手すりに触れたところで、立ち止まる。
「私が忘れてしまったことは、祐一さんも忘れてください。そうでないと困ります」
「無茶苦茶だな」
「はい、無茶苦茶です。だって、酔ってるんですから」
 そう言うと、美汐は俯いた。
「……祐一さん。お願いがあります」
「何だ?」
「祐一さんは、このまま部屋に戻ってください。そうしたら、私も、直接、真琴の部屋に戻りますから」
 俺は、無言でうなずくと、自分の部屋に戻った。そして、サッシを閉めた。

 翌朝。
 あまりよく寝られずに、寝不足気味のまま生あくびをしながらダイニングに入ると、ちょうど名雪がキッチンから出てきたところに出くわした。
「な、名雪……」
「おはようっ、祐一」
 エプロン姿の名雪は、笑顔で挨拶すると、俺の顔をのぞき込んだ。
「どうしたの、祐一? 顔色悪いみたいだけど」
「いや、何でもないって。それより名雪こそ、なんでこんな朝から起きてるんだ?」
「だって、約束したもん。祐一のお弁当作るって」
 名雪はそう言うと、「あ」と小さく叫んで、キッチンに駆け戻っていった。
 どうやら、コンロでなにか作っていた途中らしい。
 俺は苦笑して、顔を洗おうと廊下に出た。
 と、ちょうど、2階から美汐が降りてきたところだった。
「よ、よう」
「あ、祐一さん。おはようございます」
 美汐はいつも通りに楚々と頭を下げた。
「あ、おう……」
「どうしたのですか? 顔色がよくないようですが」
 美汐は俺の顔をのぞき込む。
 俺はあわてて一歩下がると、聞き返した。
「あのさ、美汐。昨日のことなんだが……」
「あ、そういえば、昨日はこの家まで連れて帰ってもらったそうで、ありがとうございました。今朝までずっと眠っていたもので」
 そう言って、美汐は一つため息をついた。
「兄さまに知られたら、怒られますね、きっと」
「……美汐、今朝までずっと寝てたって?」
「はい。今朝、目が覚めて、真琴の隣で寝てたことに初めて気がついたんです」
 ……それじゃ、昨日のは夢か?
 まぁ、確かに、いきなり美汐に告白されるなんて、そんな都合のいいことがあるはずないよな。うん。
 俺は納得して、ほっと胸をなで下ろした。
「どうかしたんですか?」
「あ、いや、なんでもないって。さて、それじゃ顔洗ってくるか」
 そう言って、俺は洗面所に向かって歩き出した。
 後ろで、美汐が呟くのが聞こえた。
「あれは夢、ですよね」
「え?」
「あ、いえ、なんでも……」
 首を振って、美汐はそのままダイニングに入っていった。

 朝食を済ませた俺は、いつものようにイチゴジャムをたっぷり塗ったパンをぱくついている名雪に声をかける。
「まだか、名雪?」
「わ、早いよ、祐一〜」
「俺が早いんじゃなくて、名雪が遅いんだ。ほかのみんなはもう食い終わって、学校に行っちまったぞ」
「だって、イチゴジャム、美味しいんだよ」
「理由になってねぇって」
「祐一も食べてみてよ。お母さんのジャム、美味しいから」
 笑顔で勧める名雪。
「……そうだな。たまにはいいか」
 俺は、腰を下ろし直すと、ちぎったパンにジャムを塗りつけ、口に放り込んでみた。
「ん、悪くはないか」
「でしょ?」
「2人とも、あんまりのんびりしてると、また遅刻するわよ」
 秋子さんが笑って言う。
 俺は壁の時計を見て、慌てて立ち上がった。
「名雪、やっぱり急ぐぞっ!」
「わ、待ってよ〜」
 そう言いながらも、同じく時計を見て、さすがに時間がないことに気づいたらしく、名雪もコーヒーを喉に流し込んで立ち上がる。
「よし、行くぞっ!」
「うんっ!」
 俺達は、ダイニングから飛び出した。

「結局、こうなるわけか」
「大丈夫だよ。走ったら間に合うから」
「いや、それ以前の点で何かが間違ってると思わないか?」
 俺と名雪は、並んで通い慣れた道を走っていた。
「祐一」
 不意に、名雪が言った。
「いつまでも、一緒に並んで走っていけたら、いいね」
「俺は……」
 そんなのはごめんだ、と言いかけて、名雪の言葉の意味に気付いた。
「走らないとだめか?」
「うーんと」
 少し考えてから、名雪は答えた。
「ううん。走らなくてもいいよ。祐一と一緒だったら、歩いても楽しいよね、きっと」
「それなら、いいさ」
「うんっ」
 走りながら微笑む、いとこであり恋人でもある少女。
 いろんな事があったけど、これからもあるだろうけど。
 俺はきっと、こいつと一緒に行くんだろう。

「ずっと、ずっと一緒だよね」
「ああ、ずっとだ」


Das Ende

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あとがき
 これにて、プールシリーズはおしまいです。
 一応、プール6の番外編は予定が1本ありますが、少なくとも「7」はありません。断言しておきます。

 美少女コンテストはどうなったんだ、といわれるでしょうが、私も決めかねました。というわけで、最終回アンケートに付けました(笑) これで決めようと思います。ご協力お願いします。
 (なお、選択できる娘は、本編中で出てきた娘に限らせていただきました。名前のみの娘は、さすがに出していませんが)
 
 プールに行こう6 Episode 66 02/4/5 Up
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・最終回記念特別アンケートです
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Episode 66の採点 (10段階評価で、10が最高です)
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『プール6』全体を通しての採点 (10段階評価で、10が最高です)
10

『プール6』で一番美味しいところを持っていったヒロインは誰でしょうか?

『プール6』で一番割を食ってしまったヒロインは誰だと思いますか?

『プール4』以降、祐一は名雪と付き合ってますが、この後誰と付き合っていくでしょうか?

『プール』シリーズとは関係なしに、一番好きな娘は誰ですか?

『プール』シリーズで一番好きなのは、どのシリーズですか?

美少女コンテストの優勝は誰でしょう?

よろしければ感想をお願いします


プールシリーズで疑問や質問、未解決点などがありましたらどうぞ



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※今回のアンケート結果は、1ヶ月ほどでまとめて公表する予定です。