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Kanon Short Story #16
プールに行こう6 アンケート結果発表(2002年4月30日版)

月宮あゆ 美坂栞 沢渡真琴 水瀬名雪 川澄舞 倉田佐祐理 天野美汐 水瀬秋子 美坂香里 七瀬 天沢郁未
※使用している人物アイコンは、『星屑の欠片』様によるフリー素材です。このアイコンの無断転載を禁じます。
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名雪「……くー」
郁未「名雪、今日は寝てても相沢くんは起こしに来ないわよ」
あゆ「あっ、天沢さん、こんにちわ。あれ? でも、どうして祐一くんが来ないって?」
郁未「それはね、相沢くんにはアイコンがないからよ」
あゆ「あっ、それでなんだ。納得だよ」
栞「そんなんで納得しないでください、あゆさんっ!」
あゆ「わ、栞ちゃん?」
栞「えぅ〜、一番最後に相沢さんとラブラブ大逆転を狙ってたのに、肝心の相沢さんが来ないんじゃ、意味ないです〜」
あゆ「そ、そんなこと考えてたんだ……」
香里「いい加減にあきらめの悪い妹ね」
栞「わ、お姉ちゃんなにげに酷いですっ。そんなこと言う人嫌いですっ」
香里「それはともかく、このままじゃ話が進まないわね。」
あゆ「香里さん、話逸らしてるよ……」
佐祐理「それでは、まずは皆さんで自己紹介から入りませんか? ね、舞?」
舞「……はちみつくまさん」
美汐「そうですね。今回はゲストキャラだった方にも来ていただいていますから、その方が判りやすいかと思います」
香里「それじゃ年齢が上の人から順番に……」
秋子「香里さん、実は試して欲しいジャムがあるのですが(にっこり)」
香里「あ、えっと、それじゃ名前の五十音順に行きましょう!」

 現在、順番を確認しております。しばらくお待ちください。

郁未「そっか、五十音順じゃあたしからになるのね。それじゃ改めまして。プールシリーズでは、陸上部の副部長をしていました、3年B組の天沢郁未です。ちなみに出身はTacticsのMoon.です」
美汐「2年E組、天野美汐です。一応、陸上部のマネージャーをしています」
舞「川澄舞。大学生」
佐祐理「あははーっ、舞ったら相変わらずなんだから。あ、倉田佐祐理。舞とおんなじ大学生です」
真琴「沢渡真琴っ! 美汐とおんなじ2年E組で、名雪と同じ陸上部に入ってるのようっ! えっへん」
あゆ「えっ? 次、ボク? あ、うん。えっと、月宮あゆです。クラスは祐一くんとおんなじ3年A組で、部活は喫茶……じゃなくて茶道部に入ってます」
七瀬「同じく3年A組、七瀬留美……です。今は部活には入ってないわ、じゃなくて、入ってないです。あははっ。ちなみに出身はTacticsのONE〜輝く季節へ〜よ」
香里「同じく3年A組、美坂香里よ。一応、クラス委員もやってるわ。部活は秘密」
栞「2年A組、美坂栞です。美術部所属です。……ホントですよ?」
秋子「水瀬秋子です。名雪とあゆちゃんと真琴の母です」
名雪「……くー」
香里「ちょっと名雪、自己紹介の時くらい起きなさいよ」
名雪「……うにゅ? 御影さくらだぉ」
あゆ「うぐぅ。わかりにくいよ、そのネタ」
美汐「確かに、伺かを知らないとわからないですね」
秋子「うふふっ。名雪ったら、しょうがないわね。皆さん、少し待っててくださいね」
真琴「あーっ、2人でどこ行くのようっ! 真琴も行くーっ!」
美汐「真琴、行くのは止めなさい」
真琴「あう、どうして?」
美汐「それを私に言わせるのですか? そんな酷なことはないでしょう」
舞「……私も行かない方がいいと思う」
真琴「わ、わかったわよう……」
舞「こんこんまこさん、いい子」
真琴「あ、あう、あうー」
佐祐理「あははっ、舞ったら嬉しそうですねー」

 〜しばらくおまちください〜

名雪「あのっ、水瀬名雪ですっ! クラスは祐一と同じ3年A組で、部活は陸上部。一応部長さんをやってますっ」
あゆ「わっ!? な、名雪さん、どうしたの?」
郁未「あまり追求しない方がよさそうよ」
香里「同感だわ」
佐祐理「あははーっ、それじゃ早速、集計結果の発表に行きましょうね」

秋子「それでは、プールに行こう6の最終回アンケートの集計結果の発表に参りましょう」
あゆ「わーっ、ぱちぱちぱち」
美汐「集計した2002年4月30日現在で、有効投票総数は256票でした。投票してくださったみなさま、ありがとうございました」
郁未「今回の大きなポイントは、なんといっても主演・助演の区別が無くなったってことね」
七瀬「ここまでゲーム本編から離れてきて、いまさら元のゲームでのヒロインもなにもないわ、っていうことかしら」
郁未「まぁ、あたし達別ゲームのヒロインを入れなかっただけ、まだ原作を優先してる雰囲気はあるけれどね」
七瀬「カレー……げふんげふん、茶道部の部長さんも入ってないしね」
郁未「ねぇ、茶道部の部長さんって、やっぱりシエ……」
あゆ「うぐぅっ、それは言っちゃだめだよっ! ボクも部長さんに言ったらダメって言われてるんだよっ!」
佐祐理「あははーっ、なんだかあゆさん必死ですねー。もしかして、茶道部じゃセブンって呼ばれてませんか?」
舞「ななこさん、嫌いじゃない」
美汐「すみません、話が逸れてますので元に戻したいのですが?」
郁未「あ、ごめんごめん。えっと、そんなわけで、とりあえず原作の女の子全員が対象になったわけよね」
栞「そういえば、『設問で“一番好きな娘”というのがありましたが、秋子さんも“娘”ですか?』っていうツッコミのお便りもありましたね」
秋子「うふふっ」
香里「し、栞! そういえば質問疑問コーナーは後でするんでしょ? まず最初は結果発表なんだからっ」
栞「そ、そうですよねっ。失礼しました、それでは結果発表に戻りますねっ!」
秋子「うふふふふふふふっ」

栞「今回は、素直に出題巡に発表していくことになってるんです」
あゆ「えっ? ということは、最初は……」
舞「これ」

一番美味しいところを持っていったヒロイン


あゆ「うぐぅ……」
栞「どうしたんですか、あゆさん?」
あゆ「だって、ボク達にはあまり関係なさそうだし」
栞「達って……、そんなこと言う人嫌いですっ。奇跡は必ず起きますっ」
香里「既に、自分が上位に食い込むことが“奇跡”だっていう認識はあるのね」
栞「はっ!? あ、そ、そんなことないですっ。もう、お姉ちゃんも嫌いですっ」
佐祐理「やっぱり、仲良しさんですねー。佐祐理はちょっと羨ましいです」
舞「大丈夫。佐祐理には、私がついてる」
佐祐理「舞……。ありがとっ」
名雪「えっと、それじゃ七瀬さん、発表の方、お願いしてもいいかな?」
七瀬「メインヒロインの表彰式のプレゼンテイター……。乙女にしかなせない技よね。うふふふっ」
郁未「それじゃ発表するわね」
七瀬「えっ? ちょ、ちょっと待ちなさいよっ!!」

9位 舞川澄舞 0票

6位 栞美坂栞 1票

6位 香里美坂香里 1票

6位 佐祐理倉田佐祐理 1票

4位 あゆ月宮あゆ 2票

4位 真琴沢渡真琴 2票

3位 秋子水瀬秋子 3票

2位 名雪水瀬名雪 42票

1位 美汐天野美汐 202票


郁未「ちなみに、該当なしは2票だったわ」
七瀬「はうっ、あたしの一世一代の乙女としての見せ場がぁぁ」
舞「……」(いつもと同じ)
栞「……」(真っ白)
香里「ちょ、ちょっと栞? 大丈夫?」
佐祐理「ごめんね、舞。佐祐理の方が上に来ちゃって」
舞「別に、気にしてないから」
あゆ「うぐぅ、ボク、どうしていいかよくわからないよ……」
郁未「美凪風に言えば、3位以下の順位に意味はあるのでしょうか? っていう感じね。論評するのもバカバカしくなる結果だわ」
七瀬「ふむ。圧倒的なパワーで有無を言わせず叩きのめす。乙女にしか成せない技よね。天野美汐……あなどれないわ」
名雪「おめでとう、天野さん」
美汐「……えっ? あ、はい、ありがとうございます……」
真琴「どうしたの、美汐? あんまりうれしくなさそうだよ?」
美汐「いえ……。あの、これってどういう……?」
郁未「まぁ、当然といえば当然の結果よね。プールシリーズで積み上げてきた実績に加えて、ラスト近くの展開。これで票が集まらない方がおかしいわよね。それにしてもヒロインはふがいないわねぇ」
あゆ「うぐぅ、ごめんなさい……」
栞「……まだだ、まだおわらんよ!」
香里「し、栞? どうしたのっ!?」
栞「冗談ですよ。私、こう見えても打たれ強いですから、これくらいどうってことありません」
郁未「ま、ヒロインはマンネリしていたっていう意見がすべてを物語ってる気がするわね。それじゃ次、行きましょうか」



一番割を食ってしまったヒロイン


あゆ「うぐぅ……」
真琴「あゆあゆ、なにしてんのよう?」
あゆ「だって、ボク……」
真琴「あ、もしかして、一番割を食ったヒロインになれないかもって思ってるんだ?」
あゆ「ち、違うよっ! なっちゃったらどうしようって思ってるんだよっ! うぐぅ、ボクもういやだよ……」
真琴「あうーっ、もうべそべそしないでようっ! だいたい、こういうのはしおしおに決まってるでしょっ!」
栞「勝手に私にしないでくださいっ! あんなのは一度で十分ですっ!」
あゆ「栞ちゃん、ボクもその気持ちよくわかるよっ!」
栞「そうですよねっ、あゆさんっ」
香里「栞。お姉ちゃんは、もう妹なんていない、なんて言わないわ。だから強く生きるのよ」
栞「お姉ちゃん、何を慰めモードに入ってるんですか! そんなお姉ちゃんだいっきらいですっ!」
香里「あ、あたしは別にそんなつもりじゃ……」
栞「もういいですっ。さっさと発表、行っちゃってくださいっ!」
七瀬「そ、それじゃ今度こそあたしが発表するわねっ! えーっと、こうよっ!」

9位 秋子水瀬秋子 2票

8位 佐祐理倉田佐祐理 4票

7位 香里美坂香里 6票

6位 真琴沢渡真琴 8票

5位 美汐天野美汐 9票

4位 名雪水瀬名雪 23票

3位 舞川澄舞 39票

2位 あゆ月宮あゆ 72票

1位 栞美坂栞 78票


七瀬「はい、この通りっ。ちなみに、誰もかわいそうじゃないっていうご意見は、15票でしたっ」
真琴「ほらーっ、やっぱりしおしおじゃないのようっ! ……って、しおしお?」
栞「……私、笑っていられましたか? ずっとずっと、笑っていられましたか?」
香里「し、栞っ! しっかりして!」
栞「♪このそらぁ〜、どこまでも〜、つづいてくぅ〜、まぁっすぐ〜にぃ〜」
佐祐理「し、栞ちゃん、しっかりしてください」
舞「私に任せて」
佐祐理「はぇ? 舞、どうするの?」
舞「祐一が、こういうときの直し方を教えてくれたから」
香里「相沢くんが、ですか? いやな予感が……」
舞「斜め45度から、叩く、叩く、叩く」
 びし、びし、びし
香里「ああっ、やっぱり。なんて言ってる場合じゃないわっ。やめてくださいっ、川澄先輩っ!」(ひしっ)
舞「邪魔」
佐祐理「ちょっと舞、それは、映りの悪くなったテレビの直し方だよ?」
あゆ「そ、そうだったの? ボクも祐一くんに、ちょっと壊れた人の戻し方だって習ったのに……」
舞「祐一、嘘付いた。あとでこらしめる」
栞「……はっ? わ、私、何してたんでしょう?」
真琴「お、しおしおが元に戻った。よかったぁ」
あゆ「真琴ちゃん、今よかったって言った?」
真琴「えっ? そ、そんなこといってないわようっ!」
あゆ(にこにこ)
秋子(にこにこ)
名雪(……くー)
真琴「そっ、それよりあゆあゆだって2位じゃないのようっ!」
あゆ「うぐぅ、そうなんだよ。やっぱりちょっと複雑だよ……」
郁未「なるほど。興味深い結果といえばそうかもしれないわね」
佐祐理「どのあたりがそうなんですか、天沢さん?」
郁未「ええ。上位の票を集めているのが、いわゆるメインヒロインばかり。つまり、読者は、この話では、メインヒロインはそれぞれに不遇をかこっているとみてるわけね」
佐祐理「ふぇ、そうですか。……言われてみれば、そういう見方もできますね」
栞「うふふっ、大丈夫です。次こそはきっと、私がメインヒロインですっ!」
あゆ「うぐぅ、今回でお話しはおしまいだよ……」
栞「そ、そんなぁ。えぅ〜」
郁未「まぁまぁ。相沢くんだけが男ってわけでもないんだし。そ・れ・に・女の子っていうのも結構いいものよ?」
香里「ちょっと待った! 天沢さん、他の娘はともかく、栞に手を出したら、殺すわよ?(にっこり)」
郁未「あら残念。ん〜、それじゃ、他の娘ならいいのね?」
香里「ええ、いいわよ。名雪とか」
名雪「ちょ、ちょっと、冗談だよね?」
郁未「もちろん、冗談よ。……今のところは、ね
名雪「うーっ、何となく身の危険を感じるよ……」



疑問・質問コーナー その1


真琴「さぁて、こっからは、結果発表はちょっとお休みにして、質問疑問コーナーなのようっ!」
栞「はい。今回のアンケートで募集した疑問や質問に出来るだけお答えするっていう趣旨のコーナーですね」
あゆ「でも、さすがに全部は無理だったよ。ごめんなさい」
美汐「なお、以下に出てくる設定は、あくまでも『プール』シリーズの中で、作者が独自に行っている設定で、公式の設定、および他のSS作家さんの設定にはまったく影響を及ぼすところではないことを、ここに明言させていただきます」
真琴「ど、どうしたの、美汐?」
美汐「いえ。一応、言っておかないといけないことですから」
栞「お断りは大切ですよねっ」
美汐「さて、質問というか、要望で一番多かったのは、これでした。『プール7はやらないのですか?』」
舞「やらない」
あゆ「ま、舞さん、一撃だね……」
舞「もう決まってることだから」
栞「うーっ。これからゆっくりじっくりたっぷりと、祐一さんの心にアプローチっていうところだったのに、残念です」
香里「まぁ、どうせ栞にはこれ以上の進展は望めなかったけど、天野さんが参戦しようかっていうところで終わってるのには、尻切れトンボだっていう声が、とっても多かったわね」
栞「お姉ちゃん、なにげにひどいですー」
美汐「そっ、それは、これから後はご想像にお任せします、ということで……」
真琴「わぁ、美汐が真っ赤になってるーっ」
美汐「まっ、真琴っ!」
郁未「このまま続けると泥沼化すること間違いなしだから、その前に作者が逃げたんだ、って言われてたりもするんだけどね」
香里「せっかくの場なんだから、この際相沢くんを本当はどう思ってるのか、本音ってところで聞いてみようかしら。とりあえず他の人からツッコミなし、および追求もなし、ということで」
佐祐理「佐祐理は賛成ですよ」
秋子「そうですね。無礼講、ということで。それじゃ、まずは名雪からね」
名雪「えっ、わたし? ええっと、祐一のことは大好きだよ。他の娘にも優しいのは、祐一だから仕方ないなって思ってるし、そんなところまで含めて好きになっちゃってるんだから」
栞「次は私ですね。祐一さんのことはもちろん好きです。でも、正直なところを言えば、名雪さんにはかなわないのかなぁって最近は思い始めてます。これだけ私がアタックしてるのに、祐一さんが私になびいてくれないのって、結局は名雪さんがいるからだし、ふらふらしてるみたいに見える祐一さんを、実はしっかりつなぎ止めてるのかなぁって……。あ、でも、まだ白旗を揚げたわけじゃありませんからねっ」
真琴「え? 真琴? うん、祐一のことは大好きだけど……。ええっと、上手く言えないんだけど、ずっとそばにいてくれたらそれで真琴は嬉しいなって思ってる。それに、名雪のことだって嫌いじゃないから、今のままで真琴は十分だよ。しおしおがまわりでうろうろしてるのはちょっとやだけど」
あゆ「次はボクなの? えっとね、ボクは、偽善だって言われるかも知れないけど、祐一くんが名雪さんを選んだんだったら、それを応援するのが、ボクのするべきことなんじゃないかって、そう思ってるよ」
舞「祐一、嫌いじゃない」
佐祐理「あはは、舞ったら真っ赤になってる〜。え、佐祐理ですか? 祐一さんは大切なお友達ですよ。それ以上じゃありませんから、名雪さんも安心してくださいね」
香里「次は私? 一応、この話じゃ唯一の恋人持ちだから、相沢くんのことは、親友の恋人で妹の想っている人だって以上には、特に何とも思ってないわ。むしろ、クラス委員としては、トラブルメーカーの存在は頭の痛いところね。でも、名雪や栞の力にもなってくれたことについては、素直に感謝するわ」
秋子「私は、みんなで仲良く、賑やかに過ごしていければいいなって思っていますよ。ですから、祐一さんが家に来てくれて本当に嬉しいんです。それに、名雪の母親としては、祐一さんが名雪を幸せにしてくれたら、もう言うことはありません。……叔母と甥っ子の危ない関係っていうのも、ちょっと考えたりはしたんですけど、それこそ泥沼ですからやめました」
名雪「おっ、お母さんっ!?」
香里「名雪、ツッコミは禁止よ。……でも、私でもつっこみたくなる発言でしたね、秋子さん」
秋子「うふふ、冗談ですよ。それじゃ、最後に美汐さん」
美汐「えっ? 私は、その……」
真琴「美汐も、隠しちゃダメなのよう」
美汐「は、はい。多分……、私、祐一さんのことを好きになってしまったんだと思います」
郁未「ええと、結局のところ、相沢くんに対して、濃い薄いは抜きにしても、恋愛感情を持っている人が、名雪、栞ちゃん、真琴ちゃん、川澄先輩、美汐ちゃんの5人と。あとの人も友達として好きだってことね。……相沢くんってすごいわねぇ。フェロモンたれ流してるんじゃないのかしら。うらやましい
名雪「い、郁未ちゃん、今なにかぼそっと言わなかった?」
郁未「なんでもないわよ」

七瀬「はいはい。それじゃ次に行くわよっ。次はぁ〜っ、と。秋子さん関係の質問、行ってみようかなっ」
秋子「あら、私に質問なのかしら?」
七瀬「ええ、結構多いんですよね、秋子さん関係の質問って。中でも、『結局、秋子さんの職業は何なんですか?』っていうのが、一番多かったわ。次が謎ジャム」
名雪「うん、わたしも知らないんだけど、お母さんのお仕事って何なのかな?」
秋子「そうね。もう答えてもいいかしら。わたしの今のお仕事は、天野さんと同じなのよ」
栞「同じってことは、秋子さんも、実は退魔師なんですか?」
美汐「はい。それも、私とは桁が違うレベルです。数百キロ単位の結界を張って、内部の気候を真夏にしてしまうくらいですから」
栞「も、もしかして、それって、プール1の最初の話のことですか?」
秋子「そんなにすごいものじゃありませんよ。うふふっ」
香里「なんていうか、桁が違いすぎて実感できないんだけど?」
美汐「元々は、秋子さんの夫であった方、つまり名雪さんのお父さんにあたる方なのですが、その方が退魔の仕事を行っていたのです。しかし、まだ名雪さんが祐一さんと出逢うよりも前に、とある退魔で生命を落としてしまいました。それ以後、秋子さんがその技を継いで、退魔の仕事を続けてきた、というわけです」
あゆ「でも、どうして誰もそれを知らなかったの?」
美汐「理由を話すと長いのですが、簡単に言えば、名雪さんや周りの人に害が及ばないようにするためです。それでなくとも、この仕事は恨みを買いやすいですから。秋子さんがこの仕事をしていると知っているのは、ほんの一握りだけのはずです」
佐祐理「それじゃ、このあいだのコンテストにいらっしゃった時に、仕事帰りと言っていたのも、本当は……?」
秋子「いえ、本当に仕事帰りだったんですよ。祐一さんには、ちょっと嘘を付いてしまいましたけれど」
あゆ「嘘って、早退してきたって言ったこと?」
秋子「ええ。普通のお仕事なら、そんなに早くは終わりませんから」
栞「それじゃ、温泉事件のときに、悪役の人たちが「あいつは死んだはず」とか言ってたのは、その秋子さんの旦那さんのことだったんですね」
秋子「もう、昔のことですから」
美汐「そうですね。私もしゃべりすぎました。すみません」
秋子「いえ、いいのよ。気にしなくても」
香里「でも、失礼ですけど、それだけで家計を維持できるんですか? 名雪だけの頃はまだしも、今は相沢くんに加えてあゆちゃんや真琴ちゃんまでいるのに……」
秋子「ここだけの話ですけど、この仕事って結構実入りがいいんですよ。もっとも、それだけ危険も伴いますけど。例えて言うなら、マグロ漁船でしょうか」
香里「3ヶ月働いて、あとの9ヶ月は陸で遊んでいるっていうあれですか。なるほど、納得しました」
秋子「素人の皆さんは、絶対に真似しないでくださいね。うふふっ」

あゆ「それじゃ次にいこうよ。えっと……。あ、これなんかどうかな?」
真琴「どれどれっ? 真琴に読ませなさいようっ」
あゆ「うぐぅっ!」
真琴「えへへっ、もらったぁ。ええっと……、『香里が使ってた不可視の力とやらは、いったい何ですか?』だって、かおりん」
香里「かおりんって呼ばないでよね。それについては天沢さんの方が詳しいと思うけど」
郁未「そりゃあたしは詳しいけど……。説明しておくと、『不可視の力』っていうのは、あたしが主役のゲーム、Moon.で登場する、川澄先輩の“ちから”と似た超能力のことよ。詳しくはゲームをやってみてね。今なら廉価版も出てることだし」
舞「でも、内容に暴力的シーンが多いので、素人にはお勧めできない」
美汐「それで、どうしてその『不可視の力』を美坂先輩が使えるのですか?」
香里「……もう、忘れたわ」
郁未「あたしも、あんまりあのことは思い出したくないし。ま、想像にお任せしますってことにしといた方が平和よ、きっと」
あゆ「それじゃ、次にいくよ。ええっと、これだね。『祐一の母親は、結局祐一と名雪の仲を認めたんですか?』 これは……、秋子さんに聞くのが一番かな?」
秋子「そうですね。まだ認めていないと思います」
名雪「お母さん、ほんと?」
秋子「ええ。姉さんって、ああ見えて割と頑固ですから」
名雪「うーっ、でもわたしだって、祐一のこと好きだもん」
秋子「うふふっ、その調子よ、名雪」

栞「それじゃ、次は私が……。えいっ、これです。『プール6Episode46で、名雪はなぜ元気がなかったんですか?』 えっと、名雪さん?」
名雪「……くー」
あゆ「わ、名雪さん、寝ちゃってるよ」
香里「違うわよ。これは、寝たふりをしてごまかそうとしている顔ね」
名雪「うーっ、香里、変なこと言わないで」
栞「それで、どうしてだったんですか?」
名雪「えっと、えっと……」
郁未「あ、もしかして、あのときのこと?」
名雪「わわっ! 郁未ちゃん、言ったらだめっ!」
郁未「もがもがっ」
栞「すっごく、気になりますねー。……お姉ちゃん」
香里「はいはい」(がしっ)
名雪「わ、香里っ! いきなり羽交い締めにしないでよっ!」
香里「ごめんね名雪。栞のために黙ってて」
栞「で、天沢先輩がご存じなんですか」
郁未「まぁね。実はね、名雪、あのとき告白されたのよ」
栞「えーっ!? 誰にですかっ!?」
あゆ「うぐぅ、ボク知らなかったよ……」
真琴「名雪もなかなかやるわねっ」
美汐「真琴、あまりこういうときには、茶化すものではありません」
秋子「そうよ、真琴」
真琴「あう、ごめんなさい……」
郁未「その告った相手は、陸上部の2年生だったんだけどね。『僕なら相沢先輩みたいな浮気者よりも水瀬先輩を幸せにしてみせますっ』なんて大見得切って、名雪に平手打ちくらって玉砕したのよね」
栞「陸上部の2年生ですか? 私がそれを知ってたら、もう少しちゃんとお膳立てしてあげたのに。残念です」
あゆ「栞ちゃん、そういうこと言ってるから、あんなことになるんじゃないかとボクは思うよ」
栞「うっ……。ええっと、今のは冗談ですからねっ」
郁未「まぁ、いくら万年寝ぼけた猫好き天然娘でも、告白してきた相手を平手打ちしてそのまま走り去ってたりすれば、そりゃ多少元気もなくなるってものよね」
名雪「うーっ、もう郁未ちゃん嫌い〜」
郁未「まぁ、彼に関してはもう問題はないわけだし。うふふっ」
栞「なぜそこで天沢先輩が嬉しそうに笑うのか興味深いですけど、あまり深くつっこむと後が怖そうなのでやめておきますね」
郁未「ちぇ」



この後誰と付き合っていくでしょうか?


名雪「えっと、気を取り直して、投票結果の発表を続けるね。これは、祐一がこの後誰と付き合っていくかを……って、何これっ?」
香里「何って、見てのとおりじゃない」
名雪「うーっ、祐一はわたしと付き合ってるんだよ?」
あゆ「名雪さんがそう言うの、珍しいね」
名雪「わたしだって、言うときは言うもん」
栞「今度こそ、私の出番ですねっ! 略奪愛。ああ、なんという甘美な響きでしょう……」
真琴「真琴だって、しおしおなんかに負けないわようっ」
栞「ふふん。恋の駆け引きでは、真琴さんには負けませんよ」
真琴「でも、サイズでは勝ってるも〜ん」
栞「えうっ!」
あゆ「うぐっ!」
名雪「だ、大丈夫だよ。2人とも、そんなに気にしなくてもいいと思うよ」
あゆ「うぐぅ……。名雪さんには、ボク達の悩みはわかんないよ……」
栞「そうですよっ」
七瀬「あのね……。ここは胸の大きさを競う投票じゃないわよ」
栞「あ、そうでした。えっと、それじゃ発表ですっ」

10位 舞川澄舞 0票

8位 栞美坂栞 1票

8位 真琴沢渡真琴 1票

7位 香里美坂香里 2票

5位 あゆ月宮あゆ 4票

5位 佐祐理倉田佐祐理 4票

4位 秋子水瀬秋子 5票

2位 美汐天野美汐 34票

1位 名雪水瀬名雪 187票


栞「……」(真っ白)
舞「……」(微妙にいつもと違う)
佐祐理「舞、どうしたの?」
舞「私が祐一と付き合うことは、ないってこと?」
佐祐理「そ、それは、その……」
郁未「少なくとも、読者はそう思ってるってことね」
舞「私、泣いてしまうかもしれない」
佐祐理「だ、大丈夫だよっ。それに、佐祐理でよければ、ずっと舞のそばにいるから」
舞「うん……。ありがとう、佐祐理」
あゆ「うぐ? あれ、なんで2位の次が4位になってるのかな?」
七瀬「あら、ホント。集計ミスかしら?」
郁未「あ、それはそれでいいのよ。第3位は、「誰にも決められない」だから。ちなみに18票だったわ」
七瀬「ああ、そういうことね。それで、水瀬さんとしては、この結果はどう?」
名雪「うーっ。喜んでいいのか怒っていいのか、複雑だよ……」
七瀬「複雑っていうのは?」
名雪「えっとね、大勢の人が、わたしと祐一がそのまま付き合っていくって思ってくれているのは恥ずかしいけど嬉しいなって思うんだよ。でも、それ以外の人は、やっぱりわたしより他の人が祐一とはふさわしいって思ってるんだよね?」
七瀬「ま、まぁ、そういうことになるわよね」
郁未「で、名雪としてはライバルで一番気になるのは誰なのかしら?」
名雪「やっぱり、天野さんかな?」
美汐「あ、あの、えっと、私はその、祐一さんを水瀬先輩から奪おうとか、そんなことは全然考えてないですから、安心してください。……それに、もう祐一さんの心は、水瀬先輩の……」
秋子「あら、美汐さん。恋は10フレまでわからないっていうわよ」
名雪「わ。お、お母さんっ!」
美汐「ホントですか!?」
真琴「わ、美汐嬉しそ〜」
美汐「えっ? そ、そんなことないです」
七瀬「えーっと、それにしても、こっちも4位以下は誤差の範囲、って感じねぇ。どうもこういうのって票が集中しちゃうみたい」
郁未「そりゃしょうがないわよ。こういう投票って、読者さんの意図よりは作者の意図が相当に反映されちゃうわけだから」
あゆ「い、意図? うぐぅ、難しいよ……」
佐祐理「あ、つまり、作者が表現したことの中から、読者さんが読みとるわけですから、読みとる材料が偏っていたら、そこから読みとられる結果もある程度偏ってしまうのは、仕方がないことです、と。天沢さんはそう言いたいんですよね」
郁未「そういうこと。さすが去年の3年生トップね」
佐祐理「あははーっ、そんな昔のことは、佐祐理は忘れちゃいました」
七瀬「でも、そういうことなら、次のこれはそう偏らないはずよね」


『プール』シリーズとは関係なしに、一番好きな娘


郁未「なるほどね。『プール』シリーズとは関係なしに、という但し書きをわざわざ付けてるわけだしね」
佐祐理「そうでしょうか?」
郁未「あら、何か気になることでもあるんですか?」
佐祐理「そうですね。とりあえず結果を見てからにしましょうか」
七瀬「はい、結果はこうなりました〜っ!」

9位 真琴沢渡真琴 8票

8位 香里美坂香里 10票

7位 あゆ月宮あゆ 16票

6位 秋子水瀬秋子 18票

5位 栞美坂栞 22票

4位 佐祐理倉田佐祐理 30票

3位 舞川澄舞 31票

2位 美汐天野美汐 57票

1位 名雪水瀬名雪 59票


真琴「なっ、なにようっ、これっ!!」
栞「ふぅ。私、ちょっとだけ救われました」
真琴「真琴は救われないわようっ! なんで真琴が最下位なのようっ!」
栞「……ふっ」
真琴「あうーっ! しおしおに、馬鹿にしたようなため息をつかれたーっ!」
美汐「真琴、落ち着いて」
七瀬「それにしても、ここでも天野さん。水瀬さんにピッタリ付けて2位とは、あなどれないわ」
郁未「なるほどね。倉田さんの言いたかったことがわかったわ」
あゆ「うぐぅ、どういうことなの?」
郁未「確かに、質問そのものは、作品からの影響はあまりないものだったわ。ただし、回答する人は、ほとんどの場合は、この作品をここまで読んできた人だ、っていうこと」
佐祐理「はい。つまり、この質問でわかるのは、一般的な人気ではなく、このお話しをここまで読んでこられたのはこういう傾向の方々である、ということなのではないでしょうか?」
真琴「それじゃ、真琴の人気がないってことはないのね。あーっ、びっくりしたぁ」
香里「ちょっと待って。それじゃ、栞の支持がそこそこあるってことは、どういうことなの?」
栞「そうですよっ! これでどうして私がヒロイン部門と祐一さんの恋人部門であんなていたらくで、しかも可哀想なヒロイン部門でトップなんですかっ!?」
郁未「それはやっぱり、作品中での扱いじゃないの?」
栞「うーっ、あんまりです〜」
秋子「さて、それじゃ、ここで少し落ち着いて、次のコーナーにいきましょうか」



疑問・質問コーナー その2


舞「次はこれ。『なぜ復活した真琴には耳としっぽがついていたんですか?』 ……こんこんまこさんへの質問」
真琴「えっ? そんなこと聞かれても、真琴にもよくわかんないわよう」
あゆ「天野さんは知ってるかな?」
美汐「正確なところは私にもわかりませんが……。あのとき、消滅するはずの真琴が復活したのは、川澄先輩の“ちから”によるものです。ですから、その真琴に耳やしっぽがあるのも、川澄先輩の希望したところではないのか、と」
真琴「えーっ、そうなのっ!?」
舞「私のせい?」
美汐「いえ、はっきりそう言い切れるわけではありません。可能性の一つに過ぎませんから」
秋子「可能性で言うなら、他にも、真琴の妖狐としての力が半分になったので、本来は全身化けて隠せるはずが、一部分が隠せなくなってしまった。または妖狐の能力に加えて舞さんの“ちから”が上乗せされて、本来の真琴の許容量を超えてあふれてしまった結果、という考え方もありますしね。もしかしたら、それらがすべて複合している、ということも」
栞「つまり、これだ、という理由はわからないんですね」
美汐「……はい。でも、真琴が帰ってきてくれたんですから、そんな些細なことはどうでもいいんです」
真琴「えへへっ、み〜しおっ
あゆ「それにしても不思議なのは、いつもどうやって尻尾を隠してるのか、なんだよ」
香里「そうね。真琴ちゃんは髪の量が多いし、髪型もツインテールにしてるから、耳を隠せるのはまだ判るんだけど」
真琴「あう、真琴にもよくわかんないんだけど、尻尾の隠し方は、しおしおが教えてくれたのよう」
あゆ「栞ちゃん、あの」
栞「秘密です」
あゆ「うぐぅ、即答……」
栞「それじゃ、次に行きましょうか」

香里「質問の中でも、やっぱり多かったのが、倉田先輩と久瀬くんのことね」
佐祐理「ふぇ? 佐祐理と久瀬さんがどうかしたんですか?」
香里「この際だから、率直に聞きますけど、倉田先輩は久瀬くんのことはどう思っていらっしゃるのですか?」
佐祐理「久瀬さんですか? 皆さんが言うほど悪い人ではないですよ」
舞「でも、私は好きじゃない」
佐祐理「もう、舞ったら人見知りしちゃうんだからぁ」
栞「そういう問題でしょうか?」
真琴「真琴もあいつ嫌いーっ。なんか変なんだもん」
秋子「真琴。他の人に対してそんなことを言ってはダメよ。真琴が祐一さんに『あいつは嫌いだ』なんて言われたときのことを考えてごらんなさい」
真琴「あう……。ご、ごめんなさい……」
秋子「判ればいいのよ。ね?」
舞「……しょげてるこんこんまこさん、可愛い」
栞「そういえば、久瀬先輩で思い出したんですけど、温泉の魔物騒ぎの時に、久瀬先輩が天野さんの弓を持ってきたことがありましたよね。久瀬先輩も実はそちら方面の関係者だったりするんですか?」
美汐「いえ、違いますよ。ただ、久瀬先輩の父親は、いわゆる裏方面でも力を持っている人物ですから、私たちのような退魔の者の存在も知っています。私たちとしても、表に出る事が出来ないという事情から、そういう人たちに力を借りざるを得ない、ということも多いので……」
秋子「ええ……。きれい事では済まない世界なのよ、あちらは。だから、私も天野さんも、みんなには、出来るだけ知られたくないって思っているわ。知らないで済むのなら、それに越したことはないわけですし」
香里「栞、これ以上、追求するのはやめなさいね」
栞「そうですね、お姉ちゃん。そうした方が良さそうです。ドラマなんかでも、知りすぎたヒロインが危険な目に遭うっていうのは良くありますし。……あ、でも、そうなったら祐一さんが颯爽と助けに来てくれるかも……」
名雪「栞ちゃん、祐一を危ない目に遭わせたらダメだよ。わたし、怒っちゃうよ?」
栞「わ、名雪さん、なにげに怖いですよっ」
郁未「名雪が怒ったら、ホントに怖いもんねぇ」
名雪「郁未ちゃん、わたし、そんなに怒らないよ?」
郁未「そうよね。おかげであたしがいつも悪者扱いなんだけど」
名雪「う。ごめんね、郁未ちゃん」
郁未「ま、あたしも好きでやってるわけだから、構わないんだけど。色々とお楽しみもあるし、ね
あゆ「うぐぅ、なんか話が危ない方向に流れてる気がするよ……」
香里「それじゃ、話を戻すとして、結局倉田先輩は、久瀬くんとはお付き合いしてないし、これからもするつもりはない、ってことでファイナルアンサー?」
佐祐理「あははっ。ファイナルアンサー、です」
郁未「……久瀬のお坊ちゃんも、報われないわね……」

栞「久瀬先輩といえば、生徒会なんですけど、そちら関係の質問も結構来てますね」
香里「そうね。決着が付いてないとか。……決着なんてつかないとあたしは思うどね」
美汐「今まで続けていたことは、そう簡単に変えられないんです。それが組織として動いてきた事なら、なおさらに……」
栞「でも、これからは変わるかも知れませんね。構造改革とグローバルスタンダードは今のトレンドですし」
あゆ「うーっ、どういうことかよくわかんないよ」
栞「実は、あれから少し調べたんですよ。そうしたら、色々と判ってきた事があって」
あゆ「それって、どんなことなの?」
栞「それがですね、文化祭のときに、生徒会が祐一さんに嫌がらせをして、喫茶店を壊させたりしてたのには、別の理由があったみたいなんです」
七瀬「……ちょっと待って。あれって、生徒会がやったの?」
栞「えっ? 七瀬先輩、ご存じ無かったんですか?」
七瀬「全然知らなかったわよっ! そう言われてみれば、あの後忙しくてうやむやになってたわね。よし、判ったわ。あたし、今から生徒会に乗り込んで決着付けてくるっ!」
香里「ちょっと七瀬さんっ、落ち着いてっ! これ以上ややこしくしないでよっ」
七瀬「美坂さん、あなたもクラス委員でしょっ! それならあたしと一緒に生徒会を倒しに行くのよっ!」
香里「だから、そうじゃなくって、とりあえず栞の話を聞いてからにしてって言ってるの」
七瀬「わ、わかったわよ」
栞「それじゃ、説明しますね。えっとですね、あれは生徒会長さんが、生徒会の、特に2年生以下のメンバーに対して、上からの命令であれは、それがイリーガルな活動であるとしても、唯々諾々と従うかどうかを試してみたんだそうです」
郁未「それは初耳ね。でも、あの生徒会長も何がしたかったのかしら? どれくらいのメンツが自分に従うのか試してみたってこと?」
栞「いえ、それが違うみたいなんです。今度、6月に生徒会役員の改選がありますよね? そこで、今回の騒ぎに関わったメンバーは、全員候補から外す方向だっていうんですよ」
香里「ここで、古い体質を一気に入れ替えようってことなのかしらね?」
栞「そうみたいです。あ、このことは秘密ですよ?」
七瀬「なによ、それじゃあたし達は利用されただけってこと? やっぱりあたし、一言言ってくるわ」
香里「ちょっと落ち着きなさいよっ!」
七瀬「なめないでよね。七瀬なのよ、あたし!」
郁未「まったく……。えい、不可視の当て身」
七瀬「はうっ」(ばたっ)
名雪「わ、七瀬さんが急に倒れちゃったよ」
郁未「あんまり面倒かけさせるんじゃないの。ともかく、今後はそれじゃ生徒会もちょっかいを掛けてくるってことはないのかしらね?」
栞「はい、たぶん。あ、でもそれで生徒会をクビになっちゃった人達が逆恨みしてか弱い私なんかを誘拐しちゃうかもしれないですね。きっとそうしたら、祐一さんが単身助けに来てくれて……。うふふっ
あゆ「うぐぅ、栞ちゃんがなんだか怖いよ……」
真琴「しおしおにも、夢くらい見させてあげなさいよう、あゆあゆ」
あゆ「う、うん、そうだね」

あゆ「それじゃ、最後の質問になりましたっ。最後は、これっ! 『体育祭の借り物競走で美汐が引いた借り物は何だったのですか?』」
美汐「えっ? そ、それは、その、言えませんっ」
栞「だめですよ〜。隠し事はなしです」
あゆ「うんっ、そうだよ」
真琴「美汐ーっ、教えてよーっ」
美汐「そっ、それはそのっ、……やっぱり言えませんっ!」
栞「仕方ないですね。それじゃ、全国の天野さんファンのため、美坂栞、あえて悪役を買って出ます」
美汐「な、なんですか、美坂さん?」
栞「はい、これが問題の、天野さんが使用した借り物の紙です」
美汐「どうしてそれを!? ちゃんと鞄にしまっておいたのに……。あっ!」
栞「真琴さんっ、鞄ですよっ!」
真琴「ラジャーっ!」
美汐「ちょ、ちょっと真琴っ! やめっ!」
真琴「みつけたーっ。えっと、なになに? 『ちょっと気になる人』、だって」
栞「えっ? それってどういうことですかっ!?」
美汐「気にしないでくださいっ。何でもありませんっ」
秋子「はいはい、みんなそれくらいにしなさい」
栞「で、でもですね、これは大事な……」
秋子「ところで栞さん。味見をしてほしいジャムがあるんですが」
栞「わ、それ卑怯です〜」
名雪「それじゃ、そろそろ質問コーナーもおしまいにするね」
美汐「……ほっ」
栞「ちょ、ちょっと待ってくださいっ! まだ……」
あゆ「次は、いよいよこれだねっ」
栞「えぅ〜、あゆさんまで〜」



美少女コンテストの優勝は誰でしょう?


秋子「本編では、各クラスから一人ずつ、全員で18人がエントリーされていましたが、今回の投票ではその中から、本編中で描写のあった4人に絞って投票していただきました」
美汐「はい。なお、『片瀬さんはだめなんですか』という意見がいくつか寄せられていたことは、ここに挙げておきたいと思います。なお、片瀬さんというのは、Episode.60にちらっと出てきた2年D組の代表で、元ネタは皆さんのご想像の通り、ねこねこソフトのみずいろです」
栞「元ネタがみずいろといえば、私がコスプレをやったまじかる☆ひよりんもそうですよね」
香里「相沢くんは、胸が足りないって言ってたけどね」
栞「そんなこと言う人嫌いですっ!」
あゆ「さ、さてっ、結果は以下の通りですっ。ちなみに葛木さんのアイコンはないので、佐祐理さんで代用させていただきましたっ!」

4位 真琴2年E組 沢渡真琴 33票

3位 栞2年A組 美坂栞 38票

2位 佐祐理1年F組 葛木 恵 81票

1位 七瀬3年A組 七瀬留美 93票


あゆ「ちなみに、白票は11票だったよ」
七瀬「えっ? あたしが優勝、なの? あ、あは、あははっ」
佐祐理「あははーっ、おめでとうございます」
名雪「やったね、七瀬さんっ」
あゆ「うん。すごいよ七瀬さん」
香里「これで、うちのクラスが優勝、ってことになるのかしら。とりあえず、おめでとう、七瀬さん」
七瀬「あ、ありがと。……ねぇ、これほんとよね? あたし、なんだかまだ信じられないんだけど……」
あゆ「うん、もちろんだよっ」
七瀬「これで、これであたしが、この学校で一番の乙女……。ううっ、なんだか泣けてきたわっ」
香里「あ、ついでだから発表しておくわね。文化祭のクラス対抗展示投票の結果は、結局うちのクラスがトップ、続いて2年E組、以下略、というところだったわ。やっぱり最終日の栞のウェイトレスのおかげね」
郁未「で、こないだの体育祭と、この文化祭の結果を合わせた総合ランキングでも、3年A組がトップよ。とりあえず、おめでとう、ってところね」
栞「えぅ〜。体育祭は取ったのに。コンテストでも負けちゃうし、もう踏んだり蹴ったりですぅ〜」
真琴「あうーっ、しおしおにも負けたーっ」
栞「そ、そうですね。とりあえず真琴さんには勝てたんだから、それでよしとします」
真琴「なにようっ、しおしお、結果売ってるのっ!」
美汐「それを言うなら、けんかを売る、ですよ、真琴」
真琴「あ、あう、そうなの?」
美汐「美坂さんも、あまり真琴をたきつけないでください」
香里「そうよ、栞。八つ当たりしても、評判が落ちるだけよ」
栞「そ、それくらいわかってますっ」
秋子「はい、それじゃ2人で仲直りの握手。ね?」
真琴「ええーっ、しおしおとぉ?」
栞「わ、私だって、そんなこと……」
秋子「ね?」
真琴「あ、あうっ。しおしお、握手っ!」
栞「仲良しですっ!」
佐祐理「あははーっ、仲良しさんですねーっ。舞、佐祐理たちもやろっか?」
舞「佐祐理となら、やりたい」
佐祐理「それじゃ、やりますよーっ。仲良しっ」
舞「……」(すごく嬉しそう)
香里「それにしても、葛木さんの票は、ほとんどが、実は倉田先輩票だったみたいよ」
佐祐理「ふぇ?」
七瀬「そうだったの?」
香里「ええ。潤が泣きながら集計してたもの。結局、倉田佐祐理とかまじかる☆さゆりんとか書いてある票は、全部葛木さんの票として数えたらしいし」
七瀬「うう、危なかったわ……」



あゆ「えっと、これで全部おしまい、なのかな?」
栞「あれ? 『プール』シリーズでどれが一番好きですか? はどうなったんですか?」
香里「ああ、あれなら、結果を見てもつまらないだろうからあえて発表はしません、だそうよ」
栞「つまらないって言えばそうかもしれませんけど、でも発表しないっていうのは、問題があるんじゃないですか?」
香里「それもそうね。それじゃ簡単に発表するわね。順位の上から順番に、3、6、4、5、1、2よ」
栞「やっぱり、3は強いですねー」
香里「分析をし出すときりがないことだし、これについては票数もあえて出さないことにするわ」
七瀬「それじゃ、これでおしまいってことね。それじゃあたし達は先に帰ろうかしらね、天沢さん」
郁未「そうね、最後はやっぱりオリジナルのKanonメンバーに締めてもらうってことで、ゲストキャラのあたしたちは遠慮させてもらうわね。じゃ」
佐祐理「お二人とも、今日はありがとうございました」
あゆ「それじゃ……。えっと、……うぐぅ、どうしよう?」
香里「月並みだけど、読者の皆さんに一言ずつご挨拶、かしらね」
あゆ「あ、うん、そうだね。それじゃボクから。えっと……ここまで読んでくださってありがとうございました」
栞「私は祐一さんと結ばれることはありませんでしたけれど、それでも楽しかったです」
真琴「真琴も、いっぱい遊べて楽しかった。えへへっ」
舞「私も、祐一だけじゃなくて、ほかのみんなとも、一緒にいろんなことがやれたから、とても嬉しかった」
佐祐理「そうですね。いろんなことがありましたけど、舞だけじゃなくて、みんなも幸せだったから、佐祐理も幸せになれました」
香里「私は、それなりに楽しかったってところかしらね。でも、栞とも仲直り出来たし、……それが一番よかったってことかしら」
美汐「あ、私ですか? ええと、こんな私でも応援してくださって、ありがとうございました」
秋子「みんなが賑やかに楽しく暮らしていけることが、私にとっては一番嬉しいことですから。それを見守ってくださった皆さん、ありがとうございました」
名雪「わたしも、みんなと逢えて楽しかった。じゃぁね」

"God's in his heaven,all's right with the world."



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