題名あんどろ

第一話「知恵

 時代は、22世紀の前半。ここにあるさえない作者・・・もとい、男がいた名前を”松戸調事”(まつとちょうじ)
この男見た目はあまりさえないが、ある一つのことについては一目置かれる存在だった。それは・・・。

 

 俺は松戸調事、変な名前を付けられたかわいそうな高校3年生だ
何でこんな名前を付けたのか一度親に聞いたことがある、そこで返ってきた答えは
”おまえがいろいろな事に興味を抱き立派な大人になってほしかったからだ!”なんていわれた
ちなみに俺には1つ上の姉貴と3つ下の妹がいるのだが姉貴の名前は”瑠音”妹は”蘭”、わりと普通だったりする
でも”まつと”の”つ”を”っ”に変えて読んだりすると「まっとるね!」とか「まっとらん!」なんて読めたりするから
ねらったのではないかと俺は思っている。


それにしても今日ジャンク屋で買ってきたノートパソコンだまされたなぁ、HDが20Mしかないんだもんなぁ
今の時代にMとかGとかいわれてもねぇ時代はTなのにさぁ、俺はよく知り合いのジャンク屋”JANガリあん”
に行くのだがよく変なものを買わされる、この前なんて似点堂の”ロクEン”(ロクイーン)を買わされたし
その前なんてSAGEの”土星”を買わされたなぁ、どれも20世紀のゲーム機らしいのだがいまとなっては
持ってる人は誰もいない、何せヴァーチャルリアリティの技術が21世紀の半ばで一気に向上して
画面を見ながら楽しむゲーム機より体感できるゲーム機が売れちゃったもんなぁ、それもこれも
21世紀の半ばにUFOに使われている技術の解明がされたせいだもんな、確かにそうでもしなきゃこんなに
技術力があがる分けないもんな、昔は一家に何台かのパソコンがあったそうだが今では一家に一台のロボットだも の
でもまだ自分で考えて動くロボットはできていない、すべて人間がプログラムしてやらないといけない
未だにボタンを押して起動したり命令したりしている、料理ロボットも塩やこしょうのタンクが空になると
ブザーを鳴らして交換してもらわなければいけない、最近ようやくこれが面倒だということに気づいたプログラマたちが
人工知能の開発に本腰を入れた、21世紀の時代にも人工知能が作られていたらしいがUFO技術の解明によって
中止されていたらしい、きっと作るよりまねた方が楽だと考えたんだろうけどね、でも実際は人工知能についての
プログラムには何十にもプロテクトがかけてあって簡単には開けなかったようだ、この間ようやくプロテクトが
はずれたと思ったら中から
”君たちハッカーの勝ちだ!”
などと宇宙語でかかれた文書がでてきたそうだ、アメリカのASAの見解によると
”宇宙人はテレパシーのようなものでUFOを制御していて人工知能のようなものは使ってないすべて自分たちで運転していた”
とのことだ
そしてこのプログラムは自分たちのテレパシーを外部から妨害されないように作ったいわば防火壁のようだともいっていた

こんな人たちが作るんだから人工知能ができるまでどれだけ時間がかかるかわかったもんじゃない
おれの人工知能はもうかなり人間に近いところまできてるんだけどね、あ言い忘れてけど俺はプログラマたちよりも
早くに人工知能の研究をしていたんだ、だってロボットたちもこのままじゃ役立たずだし、毎回タンクを取り替えるのも面倒だからね
JANガリあんに人工知能に関する本もあったから買っておいたしプログラムなら好きでずっとやってたし
外装だってJANガリあんに行けばだいたいそろうしね
とまぁ長々と独り言を話し終わった俺は人工知能を持ったロボット”知恵 JAD1−13”(女 幼児体型)を作るべく作業小屋へ向かった。

 カタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタ・・・・・・・・・・・

 カチャカチャカチカチガガガガガガガガグリグリ・・・・・・・・・・・


ふぅ完成だ!!できあがったぞ人工知能搭載俺が作ったアンドロイド第1号=ボディ番号13番 愛称”知恵”思えば
ここまでくるのに失敗したこと数知れず、HDがクラッシュすること実に653回(21世紀のHDは粗雑なものが多かったため)
かっかた予算はJANガリあんのツケの分だけ
無駄にしたボディ12個、これに費やした時間俺のあこがれ恋人と戯れる甘い放課後の数!!(←恋人未だなし)
ほんとに苦しい毎日だった最初はめちゃスタイルのいいきれいな女を目指して作ってきたのに
失敗に失敗を重ねてとうとう楽園遊園地のマスコットキャラのベッキーちゃんを使った幼児体型のアンドロイドになってしまった!
俺はなんて可哀想な男なんだ!
このおかげで彼女はできず、友達も少ない、親にも忘れられそうになり、危なく精神科に入院させられそうになるし
でも!ようやくできたんだおれの、おれの、おれだけの・・・・・おれだけの女だ〜〜〜〜〜〜〜!!y(;Д;)y

「調事うるさいわよ!屋根裏でほえないでよ!」
「ねぇちゃん、おれようやくやったよ、出来たんだよ人工知能を搭載したアンドロイド愛称”知恵”がさぁ」
「あいあい、そいつはよかった。私はこれからダーリンとデートなんだから忙しいの、じゃ留守番よろしくねぇ、おやつは冷蔵庫の中よ、蘭の分もおいときなさいよ。」

ガチャ!

・・・・・いっちゃった・・・・

いいもん、俺一人でこの感動を味わうから
では、起動ポチッとな

ポチッ ピポッ ウィ〜〜〜〜ン カカカカカカカカカカカッ

おっおおお、きたぞきたぞ!

・ ・ ・ プログラム名又はファイル名が違います・ ・

・・・・・・えっ なにお〜〜〜〜!
おまえは20世紀のD○Sか!

もう一度作り直しだ!ここをこうして・・・あっ何だ、さっき買ってきたノートの電源押してたのかびっくりした。 では 気を取り直して
起動あポチッとな

ポチッ ピポッ ウィ〜〜〜〜ン カカカカカカカカカカカッ

Ver3.05 (c)CHOUJIKAIHATU

今度こそいけるぞ!

・ ・ ・ うっうごくぞ!

・ ・ ・ パチッ 目が開いた!

・ ・ パクパクパク

あれ?口はぱくぱくしてるけど声が出てないな・・
VOLUMEをあげてみるか

カチカチ

「コンニチハ、今日ハ、イイ天気デスネ」
「そうだね、ほんとにいい天気だ。僕は君の制作者の調事、よろしくね!」
「・・・・・・・・・」
「あれ?僕は君の制作者の・・・」
「アナタハ、同ジ事ヲ、二度イイマシタネ」
「何だ聞こえていたのかい?」
「・・・・・」
「?」
「コンニチハ!ミンナ元気ニシテタカナ?ベッキーダヨ!今日ハ楽園遊園地ニ来テクレテドウモアリガトウ、コレカラミンナニハ・・・・・・」

なっなんだこれは?

プルルルルルルルル・・・・
プルルルルルルルルル・・

そのときJANガリあんからの電話が鳴った、 JANガリあんと俺のところは20世紀の有線電話を引いているのだ
だからかかって来たらすぐわかる。 情報端末からアクセスもできるのだが映像が必要ないときとか
簡単な用事の時によく使われている

ガチャ

「はい、もしもし」
「あっ、調事くんですか?僕JANガリあんの藤井ですけど、こないだ渡したあのボディ・・・
楽園遊園地のマスコットキャラクターの ベッキーちゃんなんだけどさぁ、今回中身フォーマットしてないからさぁ
フォーマットしてから使ってくれないかなぁ、 あと、それは僕の大事なベッキーちゃんなんだから悪戯したらだめだよ
だって悪戯していいのは僕だけなんだからね、それと・・」

ガチャ!

やつは危険だ、これ以上はなしていると・・・
たしかにフォーマットした記憶がないな・・・・

========フォーマット中========

よし今度こそ・・・あっ大事なこと忘れてた、OSがない・・・いいや人工知能なんだしいらないや!
起動するぞ!ポチッとな

ポチッ ピポッ ウィ〜〜〜〜ン カカカカカカカカカカカッ

Ver3.05 (c)CHOUJIKAIHATU

OSをインストールしてください

・ ・ ・ やっぱりだめなのね
えぇ〜い面倒だ!その辺にあるディスクをインストールだ!
再起動!ポチッとな!

ポチッ ピポッ ウィ〜〜〜〜ン カカカカカカカカカカカッ

Ver3.05 (c)CHOUJIKAIHATU

・ ・ ・ ・ おっ今度は行ったぞ!

・ ・ ・ パチッ

目もきちんと作動してるし!

・ ・ ・ ・ 口が開いたなんかしゃべるぞ!

「お兄ちゃん遅刻するよ!早く起きて!起きないと嫌いになっちゃうよ!」

ハッ?・・・・もしや!・・・・・・・やっぱりだOSの代わりに恋愛シュミレーション入れちゃった
面倒だしこのプログラム改変してOS作っちゃうか・・・

=====OS作成中======

出来た・・・徹夜した上にGOTO文(?)を駆使してわかりずらくなってしまったがまぁいい
音声も中にあったデータを使ってしゃべれるようになったし とにかく起動 !

ポチッ ピポッ ウィ〜〜〜〜ン カカカカカカカカカカカッ

Ver3.05 (c)CHOUJIKAIHATU

・ ・ ・ ・ パチッ

はい目が開きました・・ ・ ・ ・そしてしゃべる!

「あなたは?・・」
やったー今度こそ本当に完成したんだ!おれのおんなだー!
「初めまして、おれは君の作成者の調事だよろしく。」
「ちょうじ?」
「そうだよ、ちょうじだ!」
「作成者?ちょうじ?・・・・・私は?」
「きみは、知恵!ちえ!言ってごらん」
「あたしは、ちえ」
「そうだよ!くぅ〜ようやくやったんだ!できたんだ!」
「ちょうじ?」
「ん?どうしたんだい?」
「あたし、ふくきたい」

あぁ服か、たしかにいくらマスコットキャラが原型とはいえ人工知能だもんなぁ、 服ぐらい着せてやらんと・・・
でも女の子用の服なんてないしなぁ、そうだ蘭のを借りればいいか・・・よし借りに行って来よう

「知恵、俺は服を借りてくるからまっててくれ。」
「・・・」
「こういうときは、ハイって返事をするんだよ。」
「はい」
「よくできました。それじゃかりてくるから。」
「はい」

う〜ん、思っていたよりきちんと出来てよかったなぁ、これからはもっといろいろなことを覚えさせてやらないと
箸の使い方に料理の作り方、それにおしゃれもさせてやりたいな、ふたりで出かけられたら、恋人みたいだねなぁんて
くぅぅ・・・

コンコン

「おれだけど、蘭、いるのか〜?」
(なに?)
「悪いんだけどさ、服貸してくれないか?」

カチャ

扉を開けた蘭はびっくりした顔をしていた
「なに?もしかしてとうとう違う世界の住人になったの?むさい男たちが集まって女装したり、変なアニメみてグヘグヘ言ったり
Hなゲームをやりながらおれはじゆうだ!なんてほえるような世界の人間になったの?」
「なんだそれは?」
「だって同じクラスの男子に藤井君っているんだけど、その人もいろいろな女の子にそんなこと言って歩いてたよ
”蘭ちゃん君の服を貸してくれないかグヒグヒ”って。」
「もっもしかして、その藤井ってやつ太めでめがねをかけていてすぐ汗をかいて幼い子供が好きで魔法が使えるようになりたいとかいってて
さらにはどう幼くみても中年にしか見えない中学3年生だったりしないか?」
「すご〜い、なんでわかったの?」

だって、その藤井はJANガリあんの店長だもの
昨日なんて”体は大人頭脳は子供名探検フジイ”とかいって21世紀前半にはやったようなアニメのまねしてたし
一昨日は”調事君これ買わないかい?おじゃまなそらしのDVD!これをみてからねるとねぇ”なぁんてあやしさ120%だっだしなぁ
あいつのことだからきっと借りた服を抱きしめながらグヒグヒするんだろうなぁ

「いやぁ、何となく勘で。でさぁ、貸してくんないか服。」
「なににつかうの?」
「前から作っていた、アンドロイドがあるだろ、人工知能を搭載したやつ。」
「うん知ってるけど・・。」
「そのアンドロイドに着せるんだよ。服がないとなんだかおかしいしね。」
「なぁんだ普通にアンドロイドに着せるならかすよ、蘭はてっきりそのアンドロイドに蘭の下着とかを着せて
本当の妹には出来ないような、あんな事やこんな事をするのかと思っちゃった。」

あっあんな事やこんな事?なんてませたガキなんだ、俺の知らない間に蘭も大人になっていたんだな・・・・
兄さん悲しいよ・・・

「アンドロイドって下着つけるのかなぁ?」
「さぁ、でも考えてみたら、他人に服は借りられるけどさ下着は借りたくないよなぁ。」
「ハイとりあえずこれ体操着とスクール水着と、あとは猫の着ぐるみ」
「・・・もっとましなのはないのか?」
「いいじゃない、蘭ももう着ないし再利用って事で」
「で、下着はどうしようか?」
「そうだね、そしたらさぁ蘭買ってこようか?今日お母さんにお金もらったし」
「そしたら頼むよ、はい知恵の分。」
「・・・知恵って誰・・・」
「アンドロイド。」
「・・・・・おねぇちゃ〜ん、兄さんが自分のおもちゃに〜・・・」

蘭は買い物に行った、というかこの場を逃げていった・・・・
俺は借りた服を持って作業場へ向かった・・

「知恵いい子にしてたかなぁ?」

げ!お漏らししてる!俺未だそんな機能は付けてないぞ!

「あ〜ぁ、いったいどこから漏れ出てるんだ?首筋かな?」
「あのね・・・・・ちえ、おしっこ」
「えっ?」

知恵は意外な言葉をしゃべった、俺のプログラムしていない言葉・・・
あれ?でもおかしいな、教えてないことをしゃべるわけがない、人間の赤ん坊も教えなきゃはなさないのに・・・

なぁんだ、昨日からつけていたテレビのせいだ、おむつのCMで子供が漏らしてお母さんに”おしっこ”っていうやつだ。

ところで一体、この液体は何だ、オイルにしてはさらさらだし、冷却剤にしてもなま暖かいし・・・・
首筋からでてるなぁ、とりあえず藤井に聞いてみるか。

俺はリビングにある情報端末の電源を入れJANガリあんに連絡をした

「・・・・・・この世には目には見えない闇がある、彼はそんな・・」
「はいはい地獄坊さんにゅ〜ど〜はもういいから。」
「え〜これからOPが始まるのに、ところでなんか妖怪、なんちゃって。」
「ああ、知恵のここから出てる液体は何だ?」
「(ちっ人のネタを無視して)それかい、それはシリコンだよ。」
「シリコン?」
「うんシリコンをいれるとさぁ、さわり心地がよくてさぁ。」
「で、何でシリコンが入ってるの?」
「だからさぁ、さわり心地がいいんだよぉ。」
「・・・・・・・・・・」
「まさか!シリコンが出るほどハードな悪戯とかしてるんじゃないだろうね!それは僕のベッキーちゃんなのに!
悪戯できるのはぼくだけっていったじゃないか!」
「ねぇこのひとだれ?」
「べっベッキーちゃんがしゃべった!しかもよく考えたらベッキーじゃなくて知恵って呼んでるし!」
「ん、あ〜、いやね、ようやくアンドロイドが完成してさこれから・・」
「ベッキーちゃ〜ん、こっち向いておくれよぉ。僕がパパだよ!」
「人の話を聞け!このアンドロイドはもうベッキーではなくて・・」
「べっきーちゃ〜ん、僕のことわかるかい?おとうさんだよぉ〜。」
「ちえこのひと、きらい」

「(がーん)・・・・・・」

「落ち着いたか?でな、ようやく人工知能搭載俺が作ったアンドロイド第1号=ボディ番号13番が完成したんだよ。
それでこいつの愛称が知恵っていうんだ、だからこいつはベッキーじゃなくて知恵なんだよ、わかるか?」

「・・・ははははぁ・・恐獣が束になってきても怖くはないぞ、だってぼくはゾーンだもの!」

「刺激が強すぎたかぁ、悪いとは思っている、これは借りるということだったからな、ツケの分を倍にして払うから、な、この通り。」
「・・・いっいいよ、ベッキーはもういないんだから・・・・」

やばいなぁ怒ってるよ、こいつを怒らせるとろくな事にならないからな仕方がないここは一つ・・

「わかった、弁償する代わりといっては何だが藤井に一体アンドロイドを作ってやる!」
「ほっほんとかい?それじゃこの失楽園遊園地のマスコットキャラクターのベッティーちゃんで作ってくれるのかい?」

うわっこれはえぐいキャラクターだなぁ巨乳でハイレグその上猫耳にしっぽ、足まで届きそうな水色の髪の毛にカスタムされたセーラー服
そりゃ失楽園だわ

「あ・・・いっいいよ、ほかでもない藤井のためだからね、ところで藤井のところにアンドロイド用のOSなんかあったりするかなぁ?」

「あるけど、ってゆうか作った。」

こいつは結構出来るやつで、この性格がなければというよりこの性欲がなければ飛び級でおれと同じところまでこれるような実力を持っているんだけどなぁ

「OSを作って人工知能は作らなかったのか?」
「だって、君が人工知能についての書物を全部ツケで買っていったじゃないか。」
「・・・それもそうだな、まぁいいそのうちベッティーもとりに行くよ。」
「たのしみにしてるよぉ。」

ピッ

「シリコンかぁ、気づかなかったな。」

俺はせっせとシリコンを入れ直して修復し始めた。
一応知恵には猫の着ぐるみを着せることにした・・・

−−−−−−次回へ続く−−−−−−

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